ミーティングで女性が発言するということ。

日本でミーティングとなると、ある程度御前建てがなされていて、またほとんどのことが決まっていて、最終的に決めるためのプロセス的なことが多いかと思います。しかし、国外ではミーティングはいろいろなオプションを考える場であり、その場で最終的に決定しないかもしれませんが、ちゃんとした「話し合いの場」であると思います。その場でしっかり発言することは、「貢献している」「真剣に考えている」という姿勢を発信する場でもあり、仕事上での自分の存在意義を示す場でもあるのです。キャリアを作り上げていく上で絶好のチャンスの場なのです。

ただ、日本でも海外でもこういった場で女性が自ら発言することは男性に比べて圧倒的に少ない。。。というのが現実です。いろいろな理由があると思いますが、まず女性はミーティングで選ぶ座席が悪い。控え目に後ろのほう、目立たない席を自ら選んでしまうため、良い意見や考えを持っていても発言しにくい、手を挙げていても見つけてもらえない、ということがあります。また、日本人に多いのは、ノートを取り過ぎる。。。学校でノートをとることが良し、とされているのが影響するかと思いますが、ノートを取っている間に議論が先に進んでしまって、質問したり発言をするタイミングを失ってしまう。あと女性全般に多いのは、「私なんかが発言しても、どうせ聞いてもらえない」と思い込んでしまっていること、自信がないこと。日本人女性は特に「女性はでしゃばるべきではない」と言われて育っているので、なかなか公で発言する勇気がない。などなどあると思います。

私がミーティングを仕切る場合には、積極的に女性を当てて発言させます。女性優先です。後ろに座っている女性を手を挙げていなくてもいたって指すことも頻繁にあります。「あなたはどう思いますか」と。男性はどこの国でも、放っておいても当てなくても発言するし、そういう社会的教育を受けている。もちろん内向的な男性もたくさんいらっしゃいますが。。。あと、女性職員が発言したことに対してサポートできる場合は意識してサポートします。「今Aさんがおっしゃったことはとても大切だと思います」と。自分の意見と違っていても、「Aさん論点は留意しておくべきだと思います」と。ちょっと前に、オバマ大統領の女性側近たちがミーティングで意識的にサポートし合っていた、という記事を見ましたが、まさにそれです。勇気をもって発言した女性、そういった女性をどんどんサポートし、女性が発言するのは当たり前、という文化を作り上げていくことはとても重要だと思うのです。

海外で活躍する女性たち、またこれからそういう舞台に立とうとする若い女性たち、ミーティングではまず、発言しやすい席を選びましょう。真ん前でなくても、ミーティングを仕切る人からはっきり見えるところに座りましょう。まずスタート地点に自ら立ちましょう。ノートは自分が発言するポイントだけを書いておきましょう(どうせ議事録が後で配られるのですから、あれこれ自分のノートに書く必要はありません)。そして、勇気を出して発言しましょう、他の女性が発言したことを出来るだけサポートし、サポートしあいましょう!

海外での学校教育では、テストの成績だけではなく、どれだけクラスの議論に貢献したか、という「貢献ポイント」が加算されることが多いです。男の子であろうが、女の子であろうが平等にポイントが考慮されます。初めてこれに直面したときに、かなりビックリしました。へんてこりんな意見を言うクラスメイトも実際いました。だけど、そういう多様性を尊重する土台の場なんだと思います。人それぞれ考えは違う、だけどそれを尊重し合うことで社会が強くなる。日本でもこういう制度を積極的に導入して、発言することの重要性を強調していくべきだと思うのです。